2015年10月8日木曜日

10月6日、後志・胆振地方ツーリング

予報通りの好天。
10月の北海道は雨が多い。
こんな晴れた日があと何回あるだろうか?

赤井川・冷水峠より
今年最も多く訪れて停車したであろう冷水峠。
遠く羊蹄山が見える。
夏は湿度が高く霞んで見える事が多い。
秋はその逆ではっきりと見える。

峠を下り赤井川を抜けR393をゆっくりと流す。
好天の時はよくいる白い奴らは今日はいなかった。
倶知安のセイコマで軽く昼食。
いつもは裏パノから入るr604。
今日は道道の入口から入る。

道道604号より
やはりr604は最初から走るほうがよい。
自分にはその方が合っている。
奥に見えるのは岩内の町並みだ。
この景色も夏は霞む。

r604を走り抜け、r66ニセコパノラマラインへと入る。
恐らくニセコパノラマラインは今回で走り納めになるだろう。
高度が上がるごとに低下する気温を感じながらそう思う。
停車中には暑く感じた冬用のインナーを装着したジャケットが頼もしい。

神仙沼の駐車場には平日だというのに多数の車と観光バスが停車していた。
バイクは少ない。自分と途中で追い抜いたカブ110、それとアメリカンタイプが1台だけだ。
休憩を取るつもりでいたが止めた。
トイレだけ済ませてすぐに出発する。
そして注意する事を忘れない。
こういう場所でこういう気分の時はトラブルに見舞われるから。
案の定下りのブラインドコーナーの途中、道路の真ん中でハザードを出して停車している車に出くわす。
故障か? いや、フロントガラスの向こうに人影が見える。
轢いたのだろうかと思ったがそうではない、写真を撮影している。
左に寄せて停車するならまだ理解はできる、かろうじて。
コーナー途中のど真ん中に停車するのはまったく理解できない。
怒鳴りつけたいのをなぜか我慢する。クラクションも。
だが、中指をおっ立てて通り過ぎるのだけは我慢できなかった。
心の中で頑丈なフロントバンパーの車に追突されてしまえ、と念じておくのも忘れない。
そういう事情でパノラマラインの写真はない。
ただ、紅葉はまだ始まっていなかった。

r66を南下してr207へ入り蘭越町昆布、R5を数十メートルだけ走りさらに南下するためr32へ入る。
入ってすぐにある車屋の自販でコーヒーを購入してやや進んで橋の手前の二股の部分で休憩する。

道道32号より
自分はツーリング先でバイクの側を離れるのを好まない。
なので写真を撮る時はいつもバイクに乗ったままなのでバイクが写っているものは少ない。
今日は意図してバイクが写るように撮っている。
写真は難しい。撮るだけなら簡単だ。だが撮りたいと思うものを撮るのは非常に難しい。
そして面白い。
上の写真もそうだ。あとから見てみるとニセコ連峰が写っている。
撮っている時はバイクと道の奥の部分しか見ていなかった。
あの山々の間を走り抜けてきたのかと思うと不思議な気分になる。

r32からr914に入り新富コーナー(左手でサムズ・アップしたような形のコーナー)を堪能。
その先の上泉コーナー群も楽しんでr702へと抜ける。

道道914より

道道702号より 貫気別川
胆振地方は後志地方よりも気候が温暖だ。
春の訪れは速く秋の訪れは遅い。
だが陽が当たらない部分はそうとも言えずr702沿いでは早い紅葉が見られた。

豊浦のセイコーマートにて休憩と、この先のルートをどうするかでしばし悩む。

豊浦町セイコーマート
いつも通りであればここから洞爺湖方面へと向けて走りだしそのまま沿岸を周遊する。
時間がない時は周遊せずに洞爺湖南岸の道道2号を抜けて壮瞥町方面へショートカット。
そしてさらに時間がない時はr97を走って一気に北上、羊蹄山麓の東側を回り倶知安に戻るというルートだ。
北湯沢方面からr695に入りバッタ地獄を堪能したいという思いがあったが、どうしてもというほどではない。
日が傾くと途端に冷え込むこともわかっていたので、ここは最短ルートで帰宅するコースを選択した。

r97の途中、右側に通行止の道路が存在する。
去年の11月、洞爺湖町の伏見橋が半分近く崩落する事故があった。
幸い死者やけが人などはなく、ただ橋が崩れただけの事故だ。
派手に崩落した写真がいくつか掲載されたが自分の目では確認していない。
いつか見るかと思っていたがその願いは叶わない願いとなった。

伏見橋へとつづく道
どうやら解体撤去の方向で工事が進んでいるらしい。
不謹慎であるが一度見ておきたかった。

r97を進んでややしばらく進むと未塗装の朽ちかけた鳥居を発見。
何度も通っている道路にこのようなものがあったかと訝しむ。

道道97号より 鳥居前
恐らく夏場は鬱蒼とした草木によって見落としていたのだろう。
ルートを短くしたので少々時間があるため境内に入ってみることにした。
ああ、どうやらここの社は忘れ去られた社のようだ。
訪れる人はなく御神体もあるのかどうかすらわからない状態。
神社内にはのぼりがありかろうじてここが不動明王を祭っていたらしいことだけはわかった。
それ以上のことは今は特に知る必要もなく、年に1度位は使われることもあるのだろうかと思い後にした。

目の前に羊蹄山を見ながら走り続け、真狩村で右折して今度は左側に見ながら走る。
最初に羊蹄山を見た冷水峠から変わらない、今日は山頂のちょっと下に雲が引っかかっている。
方角で言うと西側だ。
だから東側から見るとその雲が見えない。見えるのは山麓に沈んでいく西日だけだ。

道道97号 羊蹄山麓東側
写真ではとても陽が強いように思えるが、低い西日で暖かさはあまり感じられない。
今日は珍しく山麓でも風が強くなかったがこの時すでにジャケットの隙間から冷気が忍びこむようになっていた。
ついこの間まであんなに長かった陽がもう落ちるというのか?まだ15時を少し回った程度だというのに。
なんという季節の移り変わりの早いことだろうか。夏だと思っていたらすでに秋。まだまだ走り足りないというのにシーズンは終わろうとしている。
そしてどんなに嘆き祈ろうともそれが変わることはない。地殻変動で九州あたりと場所が変わらないでもない限り…

尿意により有名な京極町のふきだし公園に寄る。
最早説明も必要ないほどだろう。混雑していた。
となれば即座に退散だ。
r478を走り倶知安方向へ右折。
左手側に見え続けた羊蹄山へ別れを告げる。

行きに走った時とは比べ物にならないほどの勢いでR393を走り抜ける。
そうだ、ここでいつもスイッチが入る。
トンネルまでを駆け上がり、そしてトンネルを出て駆け下りる。
そうとしか表現できない。どんなに疲れていてもここをいつもそうやって走ってきた。
3日間のツーリングを終えて雨に打たれてヘロヘロの状態で帰ってきた時も、だ。
反対車線のクラウンが急停止してえげつないUターンで追いかけてきた時は急ブレーキを掛けてやったが、それもいい思い出だ。

約17時ころ。
赤井川のセイコマに到着。

赤井川のセイコマより
一見明るそうに見えるがこれは西日が直撃しているからだ。
東側の空は赤い。

赤井川のセイコマより 東側の空
気温は12℃しかなかった。
雪虫も飛んでいる。じつに忌々しい。
ツーリングライダーとして虫に悩まされない季節は4月くらいなものだろう。
それ以外の全てにおいて虫の直撃を免れることなどなく、我が愛機はその灼熱の空冷エンジンにて香ばしく焼き上げる事となる。


日が落ちるまでに帰れそうだな…
そう呟いてみたものの、帰りたい気持ちなど欠片も含まれていない事は気付かないようにして、そっとエンジンを掛けて走りだしたのだった。

2 件のコメント:

  1. 手元に開いたツーリングマップルと首っ引きで読みました。
    道道32号、道道914号、走ったことがないので、とても興味を引かれました。
    新富コーナー、上泉コーナー群…、なんかわくわくします。
    秋が深まってきていますね。
    気温も低くなって、シーズンも終わりが近づいてきました。

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    1. 樹生さん、すっかり返信が遅くなり申し訳ございません。初コメントありがとうございます。
      自分も風のV7を読んでいる時はツーリングマップルとグーグルマップを使っております。
      道道32号から続く道は年中交通量が少なく、いつでも楽しく走ることができるライダーにはオススメの道です。
      自分のシーズンは任意保険の都合上今月いっぱい、残り半月もありません。
      思い残すことのないような走りをして終わりたいと思います。

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