ともかく走り続けたい気分だった。
難しいこととは無縁の、アクセルを開け続けて走り続けられる道を走りたかった。
よほど遅くなければ車列に埋没してもかまわない。
そういう珍しい気分だった。
だから目の前にあるR37、国道37号線、胆振国道を走り続けた。
豊浦から先のR37を走るなんていつ以来だろうか?
この道は年に一度走るかどうかという走行頻度だろう。
伊達市など自分の中では存在を忘れ去られていたほどで、この場所にこんな街があっただろうかと思ったほどだ。
大変に失礼な話だが、このへんは観光資源に優れているが走行資源に優れているわけではない。
いや、
北海道らしい道路はあるのだが自分に必要な道路はないということだ。
めぼしい道道がないのである。
そんな中でr107の存在は際立っている。
室蘭環状線と言われるr107。
室蘭の北側と東側を走るこの道を、最初に走ったのはもう…何年前だろうか?
白鳥大橋とか地球岬とか測量山などの南側はたくさん情報が入ってくるが、このr107の情報はあまり入ってこない。
個人的にはr341と同じ位置付けをしているが、その意味に気付く人は少ないだろう。
ともかく室蘭と言えばr107。
どうしてここまで来てしまったのかはよくわからないが、他に選択肢はない。
そこそこに混んでいて、追禁区間もあり、見通しもいいわけでもないr107。
ただ、北側は郊外型の道路なので信号がなくスピードを出しやすい。
そうであれば当然期待できる。
対向車の熱いパッシング。
これほどの胸の高鳴りは久々だ!
自分の前には2台ほど車がいただろうか。
むろん今日の自分はスピードを出していない。
ダラッとした走行を求めている。
土地勘のない場所を走るのであればなおさらだ。
たまに嘘のパッシングもあるが、今日は真実を告げていた。
r107、16キロ地点だ。
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r107 16キロ地点 うきうきサイン会 |
会場にはサイン用具一式を備えているバンが一台のみ。
サイン会場は狭く、追尾用車両を物理的に配置できないのだろう。
自分がテンションマックスで撮影をしている時に、きっとテンションがどん底のエクストレイル(白)が停まっていた。
草むらをかき分けて至近距離からの撮影を行いたかったが、ちょっと草が生えすぎている。
奴等は虫とマダニの驚異にどのように対応しているのか興味も湧いたが、ここで小一時間撮影に興じているわけにもいかなかったので、適当な所で切り上げて先を急いだ。
急ぐ必要があった。
室蘭を越えて登別の手前、幌別に到着したのが16時14分。
いつもの自分であれば考えられないことだ。
この先いったい何キロ走るつもりなのだ、と。
ここから後志まで帰るルートはいくつもあるわけではない。
日没前に帰るというのはどうやっても無理だ。
しかも困ったことに走るのが苦痛ではないのだ。
頭の中では急いだほうがいいと考えるものの、体はのほうはバイクを走らせるだけで満足している。
とりあえず国道をひたすら走って帰ればいい。
そう決めつけて、走り続けていた。
R36をただひたすらに札幌まで。
そこに何か面白みがあったのかどうか、今考えてもわからない。
ただ、曇り空で夕日もろくに見えないなか、たくさんの車が走る道路、その一部になっているのは悪い感じではなかった。
疲れていたが、もう走りたくないとは思わなかった。
でも札幌市内を走るのはさすがに勘弁してほしかったので、札幌南ICから高速道路へ。
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金山PA 19時41分 |
ここ最近定番になりつつある高速道路の二輪駐車スペース。
走りきった感があった。
充実感に満ち満ちていた。
走行距離は381キロ。
日が短くなってから走る距離じゃあない。
でも、たまにはこういうのも悪くないと思う。