神恵内を訪ねているが、神恵内村は素通りだ。
目的地は村の南。
サイト・旧道探索では尾根内トンネルが通行可能、新道は建設中という表示になっているが
尾根内トンネル 2017年9月7日 10時34分 |
場所はこちら
尾根内トンネル 位置
少々場所がずれているがこれはスマートフォンの性能の影響のためで、崖をよじ登ったり茂みに分け入ったわけではないので悪しからず。
どうにもZenFone3(ZE520KL)のGPSは性能が悪く、位置情報信号のロストや精度の悪さが目立つ。
なので位置情報の機能をメインにスマートフォンを使っている諸兄は、ZenFone3の購入はお勧めできない。
ともかく、本日の探索はここから開始されたわけだ。
ぜひ、埋め込んであるグーグルマップをクリックして航空写真モードに移行していただきたい。
入江の海の上を横切る橋。入江を囲むように走る旧道。旧道の弧の頂点のさらに上には、恐らく旧旧道と思われる構造物も見えている。
尾根内大橋の上から見る風景は、やっちまったなぁ…という感想だ。
尾根内大橋 |
悪い意味で言っているわけではない。あきれ果てているのは確かだが。
この海岸線に複数の橋を掛けて新しい国道を作る。
以前にも書いたが、言い出したり考え出したりした人間の正気を疑ってかかるレベルだと自分は思っている。
橋の下の入江には袋澗がある。名前はちょっとわからない。
弁財澗以外にも名前があるのか、このあたり一体の袋澗を指して弁財澗というのか、そのへんもわからない。
詳しく調べればわかるのかもしれないが、現時点では判明していない。
入江には旧道を介して入ることが出来る…が
尾根内 旧道 |
グーグルマップにも旧道は表示されているが原則立入禁止だ。
言うまでもないが熊が出るので野営の類をする場合は絶対に火を絶やしてはいけない。
以前にこのあたりで家族連れがキャンプをしていたのを見て、相当やばいと感じたものだ。
さらに説明の必要はないと思うが、入江は潮の満ち引きの影響を受ける。
ポルコ・ロッソ気分を味わっているうちに波にさらわれないようご注意願いたい。
次は魚谷大橋。
地図上ではわりと陸地にあると表示されている魚谷大橋。
航空写真で見ても結構陸に建てたんじゃないかと思われる魚谷大橋。
橋から見える風景は尾根内大橋とそう変わらない気がしないでもない。
魚谷大橋 |
さて、わりと陸上に建っていると思われる魚谷大橋だが、海岸線のゴツゴツした岩みたいな部分はこうなっている
魚谷大橋より 海岸線部分 |
陸じゃないよ…どうみても陸じゃない。
岩なのは確かだけど、潮が満ちたら沈むのは確かだろうっていうのが多くの意見だろう。
Googleはそうじゃない。その部分は海の一部じゃなく陸の一部ってことにしたのだけど、どういう判断基準なのかはちょっとわからない。
ここからもうちょっと先にある弁財澗駐車場で橋脚のアップ写真を撮影した。
今日は非常に運が良かった。
なんという幸運!橋脚の補修工事を行っていたのだ。
弁財澗駐車場より |
見ていると不安にかられるのは自分だけだろうか?
ちょっとまってくれ、そこに橋脚をぶっ建てるのは待ってくれ。そういう意見を誰か口にしなかったのか、当時の工事現場の写真などがあればぜひ見たいものだ。
こんな場所に鉄筋コンクリで橋を作れば当然痛む。
それも凄い勢いで痛む。
補修工事は見た感じだとコンクリートパネルの張替えだ。
初めから痛むのを想定して補修することを前提にこの橋脚が建てられたことが伺える。
ご覧のように海は積丹ブルー。
そこに白く太い橋脚。
何かの冗談のような光景だ。
そして、それが続いているのが弁財澗という場所なのだ。
弁財澗駐車場より |
海岸線という単語から自分が思い浮かべる光景はこれだ。
それほどまでにこの風景に衝撃を受けた。
うん、写真で見返してもやっぱりやっちまったなぁ…という感想だ。
畏敬の念を込めて呆れ果てる。そんな感じだ。
重ねて書いているが、悪い意味はない。
単語一つで表すことも出来る。
凄い
ただ、これだけで記事を終わらせるのはひどいので、文章を長くしているというわけだ。
先に進もう。
弁財澗駐車場より先、弁財澗大橋を渡る。
弁財澗大橋 ネームプレート |
プレートは草で覆われていたので軽く刈り取っておいた。
弁財澗大橋から入江を見てみる。
弁財澗大橋より 入江 |
地図だと入江の奥の部分に川の表記があるのだが、実際は何もない。
コンクリで補強されているのがわかる。もしかしたら昔は流れ込む川の存在か水路があったのかもしれない。
魚谷大橋のほうの入江は奥の方に水路用と思われるトンネルがあった。
この入江にもアクセスは可能だが、周辺には旧道と旧旧道なのか、トンネルらしき穴も確認できた。
弁財澗大橋より 旧旧道か? |
こちらは旧道のトンネル入口 |
ここをバスが通行していたと言うと、いや、それはないだろうという意見が返ってくる。
しかし事実だ。
積丹半島ではトンネルの入口に警笛鳴らせの標識があるトンネルが多数あった。
入口・出口でバスの交差が不可能な場所がいくつもあったのだ。
豊浜トンネルの崩落事故のあと、それらは代替道路・トンネルの建設が行われ今もなお改良され続けている。
もうすぐ新しい忍路トンネルが開通し、蘭島⇔余市の間でも工事が開始されている。
梅川トンネル、白岩トンネルなどはまだ記憶に新しいトンネルだろう。
ここの橋梁は代替トンネルが作られなかった珍しいケースであり、それもまた自分に衝撃を与えた理由の一つになっている。
橋から海の方を見てみると、嘘みたいな色の海が見える。
弁財澗大橋より 海方向 10時49分 |
悲しい色だ。
自分にはそういう風に思えてしまう。
海はきっと美しいが、恐ろしい。
小さな岬に作りかけの橋脚がある。
まだ新しいように思える。
作ることを諦めた橋なのか、それとも掛け替えるための橋なのか。
最後の入江を覗くため、祈石大橋(読みがわからない、きせき・いのりいし)を渡る。
祈石大橋から見える入江は他の入江とは様子が違う。
祈石大橋より 入江 |
ここの入江は私有地らしいのだ。
当然中に建っているプレハブのようなものも、個人所有のものとなる。
遠目からではあるが、まだ現役で使用されている感じがかなりある。
そういえば袋澗を見にきたような気もするのだが、入江と橋の写真しかないような気がする。
実際の所はフルフェイスをかぶった怪しいヤツが、スマートフォンで得体の知れない体勢で撮影しているので、場所が場所でなければ通報されていてもおかしくない。
橋と橋の距離はオートバイでは一瞬だが徒歩となるとかなり長い。
しかしいちいち発進と停止を繰り返し、エンジンを切ってかけての繰り返しはやってられない。
となれば走るしかない。
こういう次第で旧道には立ち入っていないわけで、ここの旧道探索には自転車が必要という理由だ。
さらに今日は晴れていて暑かった。
この後、その暑さで大変な目に遭うがそれはあとで書こう。
祈石大橋から今走ってきた道を振り返ってみる。
街灯があることに気が付いた。
いや、元々トンネルがあった道路なので電気自体は送電線で送られていることがわかる。
写真に電柱も写っている。
しかし街灯は金属でそれなりの高さが必要で橋そのものに送電線を作る必要がある。
冬場のことやコーナーのことを考慮すると街灯はあったほうがいいのはわかるが、工事の難度は増したことだろう。
祈石大橋の名称を調べる過程で設計・施工に関する資料を発見したので、リンクを貼っておく。
流し読みだが興味深い部分がある。
PDFの5-1、環境対策の部分だ。
抜粋しよう。
現国道に面する沢からの流水については、コルゲートパイプにより直接海に流すこととした
疑問の一つは解決することとなったわけだ。ラーメン橋って何?という疑問は生まれたが、それは各々で調べていただきたい。
祈石大橋…もそうだが、橋梁群は現在補修工事が行われている。
祈石大橋の先でもやや規模の大きい工事が行われていた。
どうも補強されていた崖がぶっ飛んだり崩れたりしている。
そもそも、まずその崖をどうやってコンクリで補強する工事をおこなったのかという疑問が生じたが、この海岸線に橋をぶっ建てるような連中がいるくらいだ。崖を補修することだって可能だろうと納得することにした。
大陸の方ではいまだに竹で組んだ足場でビルをぶっ建てるくらいだ。
金属の足場を組めるのなら何だってできるだろう。もちろんこれは褒め言葉にほかならない。
入江を後にして長いトンネルを抜け、弁天島の先、興志内トンネルを見る。
興志内トンネル |
トンネルの右側、崩落して塞がっている旧トンネルが確認できる。
このトンネルも古い。
今は昭和換算で92年(昭和63年+平成29年)。今から約49年前に作られたトンネルだ。
トンネル上部の補強工事が凄まじいが、蘭島⇔余市間のトンネルも同様の補強工事が行われている。
よくわからないほどの斜面に重機が乗っている様は異様で、多分ここの補強工事もそんなふうにしてやったのだろうと。
誰もが思い描くようなスマートな工事ばかりじゃない。冗談を地で行くような力技を駆使するような工事が行われていることを我々はたまーに目撃できる。
今はその現場をすぐに記録でき、誰かに伝えることが出来る時代だ。
幸か不幸かはわからないが、そいうのを楽しんでいる人間がここに一人存在するのは確かだ。
泊村ではレーダーパンダによる速締がおこなわれていることがあるが、今日はもうやり遂げた感でいっぱいだったのでゆったりとした走り。
どこもゆっくりと走り抜けた。
交通量は少ない。
岩内の町中はちょっとまいったが、どこの街でもおかしい運転をするのはいるものだと。
そこからはまたゆっくりと。
長いトンネルをいくつも越えて、尻別川の河口まで。
尻別川河口 12時33分 |
春先のツーリングではここから道道267号線で蘭越に向かうのが定番だ。
r66、ニセコパノラマラインが通行止の期間、r604から岩内を回りここから蘭越へ。
今日はもう少し海岸線を走る。
自分にとっては珍しいルート。
寿都 美谷 12時45分 |
まだ時間がある。
まだ陽は高い。
傾きだすのは14時半ころだ。
会社の窓からその傾き出した陽をうらめしそうに眺めている。
今日はその陽の中を走る。
だからもう少し先まで。
9月に入ってからも、日中の気温は北海道にしてはかなり高い。
初夏を思わせる気温。
今日も気温はぐんぐん上がり、とうとう暑くてやってられなくなる。
レギュラージャケットに防風インナー、チェストプロテクター装備では熱中症になるというものだ。
現在気温は24度
うん、これは暑いはずだ。
防風インナーを外してジャケットのベンチレーションを全開にしてもまだ暑い。
一度熱が入った体はなかなか冷えない。股下の虫焼きグリルも原因だ。
寿都のセコマで限界を感じて、強制冷却に踏み切った。
寿都のセコマ アイスを冷たい飲み物で流し込むスタイル |
靴とパンツの間には隙間風防止の足カバー。
膝にはインナーニープロテクターで防寒、防風装備としては心強い。
しかしこの状態では冷却の邪魔でしかない。
日陰は確保したので、このあとは盛大にアイスを貪って水で流し込んだ。
9月初旬の北海道でこんな真似ができるなんて!
この暑さが嬉しかった。
ちょっと長めの休憩を取り、また走り出す。
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