2017年6月5日月曜日

走れオザキ その4

ふとTVを見る。

今日の最低気温、氷点下を記録。


時計で今日の日付を確認する。

6月5日。

確かに6月5日だ。
これが5月5日だったら氷点下の最低気温でも驚かなかっただろう。
GWに雪が降って、渡道してきたライダーを皆殺しにするような年があったほどだ。

しかし今日は5月じゃない。
6月の北海道は少ない降水量、湿気とは無縁の澄んだ空気、そしてちょっと暑いと思う日差し。
つまりバイクを走らせるのに最高の条件を満たしているというわけだ。

それがこの有様だ。

北海道と長野と岐阜はお終いだ!

後志地方はどうだったかと言うと、寒いの一言となる。
日差しは強かったが風が非常に冷たい。

今日はA勤で元の予定では勤務後に走る予定ではあった。
しかしこの気温ではとても無理だろうと思った。

ジャケットにまだ冬用インナーを付けたままだったら走り出していたかもしれない。
何しろ気温が4月と同じくらいしかない。
しまいこんだ冬用装備を引っ張り出して走り出す。
それほどの余裕はさすがに勤務後にはない。



ないはずだった。


帰宅して自転車のタイヤに空気を入れて、そのついでにCBの空気圧もチェック。
ちょっぴり減っていたので適正値まで入れ、やろうと思っていたフューエルワンの投下をした。


作業を終えてふとCBを見る。
まったく何気なく話しかけられたような気がした。

走り出さないのか? と。


多分苦笑いをしていた。
自分に対して。

暑い寒いを理由にして走らないなら、バイクに乗るべきじゃない。
少なくとも自分はまだそう思えるらしい。


大急ぎで準備をして、寒くないように重ね着をして、走るならテストしたいと思っていた物を用意する。
買い物もしていたので、本当に時間はわずかしかない。


広域農道ではなくR5を走り、蘭島のセコマへ…
いや、もうちょっと走れそうだ。

それなら余市のローソンまで行こうか。

まだ日は高い。
そうだな、6月だもの。
まだ陽は沈まない。

じゃあ…行けるところまで行けばいい。
走れるだけ、走ればいい。


赤井川 冷水峠 18時44分

エンジンを止めて撮影した後、しばらくそのまま眺めていた。
ただ見ているだけで、何も思うことはないし、考えることもない。

ヘルメットを脱ぐとすごく寒い。
常備している温度計を確認する。

7度

うん、さすがに赤井川のセコマまでは無理だ。
ここまで来れたのも、すごく調子よく乗れたからだ。

立体裁断でストレッチ素材のジーンズ。
プロテクター部分にさらなる小細工をしたニープロテクター。
そしてCB1100。


ずっと話しかけられている気がした。
もちろん自分の妄想だと確信している。
それは幻想で幻聴。



君は女性の腰に手を回してエスコートした経験はあるかい?
なら話は簡単だ。
コーナーリングっていうのはそれと同じようにすればいいのさ。



帰ってきて、ありがとうと言ってみる。
君はもちろん無言だが、自分はとても満足した。

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